「今ここにある危機『中国の尖閣侵略最悪シナリオ』」

               『言志』編集長  水島 総


今回の巻頭言では少し趣を変え、今年の中国の対日尖閣侵略工作の
最悪シナリオを挙げ、その対処法などを皆様と共に考えてみたい。

この号が出るころ、中国では全人代が始まり、習近平が国家主席と
なるはずである。
しかし、現在の中国の状況を見ると、経済面での危機的状況の進行
や経済格差から来る民衆の反乱は、全国で1年間20万件と激化し続
けている。
大気汚染や地下水や河川の致命的汚染なども、もはや救いがたい状
態に来ている。
このことを最もよく知っている共産党幹部は、すでに子弟と財産を
海外に移し始めている。
さらに、共産党の一党独裁と言われて来た中国だが、党主導で何で
も実行できた毛沢東や鄧小平の時代とは異なり、現在の中国政治は、
軍主導で進められるようになっている。
つまり、共産党の政治主導が困難になっているのだ。

危機の根は深く広い。この全体主義国家の分裂と破滅の危機が迫る
中、この国の政治軍事指導者たちが国内の統一を図るため、その餌
食として標的にするのは、日本である。
戦後68年、世界的な経済大国となりながら、核武装もせず、自主防
衛体制も構築できず、自国のために血を流す覚悟さえもない日本こ
そ、中国の国内統一のために格好の標的たりうる存在なのだ。

さて、中国の対日間接、直接侵略のシミュレーションは、日本の官
民の各組織でさまざまに行われて来たが、ここまで踏み込んだもの
はないと思う。
このシミュレーションの発表は、「もうその手は使えませんよ」と
いう相手に対する間接侵略防衛行為でもあり、その対処法を想定す
るための大きな一歩たりうるのである。
本稿と併せ、具体的な対処法についてもしたためてはいるが、ここ
では公表しない。
読者におかれては、さらなる緻密なシミュレーションの提言やその
現実的対処法をぜひ、私あてに送っていただきたい。


<重要で危険な前提>


まず、中国による尖閣諸島の 「侵略」 的行為という 「ある程度
の緊張」 は、これに関わる中国、米国、台湾3国にとって、実は
メリットとして歓迎すべきものであるという「危ない現実」への認
識と視点を持つことが必要である。


<各国のメリット>


 【中国のメリット】

 1.経済の破滅的混乱と極端な経済格差の進行による民衆の共産党
  離反と反乱に対し、中華民族主義の敵「日本」打倒をあおり立
  て、民衆の怒りのエネルギーを外部の敵に向けさせることがで
  きる。
 2.中国共産党内の権力闘争において、新しい習近平体制の基盤確
  立のきっかけにする。
 3.習近平主席の人民解放軍とのさらなる連携と支配権の確立のき
  っかけにする。
 4.周辺アジア諸国に「アジアの盟主」としての中国をアピールで
  きる。
 5.東シナ海の独占的覇権確立と米国第7艦隊締め出しへの一里塚
  の確立。
 6.尖閣諸島の領有は、2050年の中国共産党政権誕生100周年の記
  念事業「台湾統一」にとって、決定的な要因となる。台湾国民
  は、独立志向を完全に諦める。
 7.中国海軍や空軍の運用や訓練、サイバー戦争の実戦的演習にも
  なる。
 8.実質上、中国を支配している人民解放軍軍部が予算を増加させ
  たり、共産党に対する権力基盤をさらに強化できる。

つまり、中国にとって日本とのさまざまなバリエーションの「緊張
関係づくり(小規模な武力衝突も含め)」は、中国国内の経済の状
態、党内の状態、軍部との関係のいかんによって、いつでも、いか
ようにも、手っ取り早く、リスクもなく(反対する人物や組織が少
ない)、安易に行動を起こせる一種の麻薬的な外交手法であり、こ
れからずっと採用され、拡大強化し続ける可能性が高い。

ただし、中国は日中国家間の戦争や「大規模な武力衝突」を望んで
いない。
ここ3年間を期限として結論を言えば、中国にとって最善最高の尖閣
諸島のあり方とは、尖閣諸島領有の権利が日中双方にあることを米
国に認めさせることである。
とにかく米国が外交的に「日中間で尖閣諸島に領土問題がある」こ
とを公認し、将来の共同管理→占有への道が確立されることである。
しかし中国にとっては、自国領土の獲得だけが目的ではない。
近い将来、「東シナ海」の制海権を確立させ、米国第7艦隊を東シナ
海から締め出し、西太平洋進出を果たすことが、目的の本質である。
中国にとっての尖閣諸島は、領有または日中共同管理、または「棚
上げ」によって、東シナ海を「中国の海」とさせ、第一列島線を突
破し、西太平洋進出を果たすための死活的な場所と海域なのである。

逆に言えば、尖閣諸島に米国を直接的な形で関与させ、米国と共同
して、軍事基地化を行うことができれば、中国の西太平洋侵出を阻
止できるのである。

とにかく今、とりわけ参院選挙前には、日本政府が単独で強い「実
効支配」をアピールする行為に出ることは避けるべきである。
むしろ「後手の先手」という形で、常に中国侵略者の「被害者」の
立場を守ること、しかし、「脅迫」には絶対に屈しないという毅然
たる立場を取りながら、その都度、半歩ずつ踏み込み、前に出るよ
うな実効支配の確立行為を行うべきである(日中国交樹立以来、日
本国総理で初めて中国に謝罪を要求した行為は見事であり、その手
法を取るべきである)。

オバマ政権の現在の外交的無気力を考えると困難なことではあるが、
米国政府に東シナ海放棄の戦略的危険性を説いて、何としてでも
「関与」させることである。


 [米国を「関与」させるための提案実例]

 a.米軍の射爆場としてアメリカに貸与したままになっている「久
  場島」に、軍事調査、環境調査と銘打って、米軍と日本政府職
  員(自衛隊含む)が上陸する。とにかく、米国人(軍人が最良)
  を尖閣諸島(久場島)に上陸させることである。
 b.支那大陸からの漂着ゴミやヤギの異常繁殖(約1,000頭)によ
  る大量の糞の海洋汚染などの調査のため、米国の大学の研究者
  とともに、自然環境調査活動を日米共同で行う。まず第一ステ
  ップは、日米共同の環境調査として、東京都が行ったように上
  陸をせず尖閣周辺をめぐる周辺海域と海中海底調査を行う形で
  もいい。

しかしオバマ政権は、短期的には、日本と中国のあいだに立って、
「審判者」の立場をとりながら「平和の仲裁者」として日中双方へ
の「恩」を売り、その影響力、リーダーシップをアジアと世界にア
ピールし、日中両国に対する経済的利益の獲得を中心に追求して来
る可能性が高い。


 【米国のメリット】

 1.日中の武力行使までいかない「緊張状態」は、日本政府と日本
  国民に、米国の軍事力と「核の傘」の重要性と必要性を痛感さ
  せ、アメリカへの依頼心と信頼を喚起させることができる(同
  種のものは、米国の北朝鮮核カード)。
 2.日本政府と日本国民の「アメリカ頼み」の心理状態は、日本駐
  留の米軍にとって、運営運用面や金銭面で全面協力させ、計り
  知れない「譲歩」と「協力」を引き出せる(=「トモダチ作戦
  尖閣版」)。
 3.東アジアの戦略的米軍の再編の本質(東アジアからの後退また
  は逃亡)を日本や周辺諸国に気づかせないまま、軍事的再編行
  為を支持させ、軍事協力費をより多く日本から獲得できる。
 4.北朝鮮が中国に対して「核兵器」カードと「米国の友好国にな
  ってしまうぞ」というカードを使って脅し、食料や油を確保し、
  かつ米国や日本との緊張関係を演出して、米国もその「緊張状
  態」に暗黙の了解を与え、それを利用して中国への「影響力」
  を確保している。そういった外交手法を中国に対して、「日本」
  というカードを使い、尖閣諸島問題についても行っている。一
  例を挙げれば、日本の核武装は中国共産党にとって最悪の「悪
  夢」だが、米国は「核の傘」によって、それを阻止しているの
  だと、中国に伝え、対中脅迫と影響力行使の材料にしている
  (実は日本核武装の示唆はわが国の最強カードである)。
 5.尖閣諸島の緊張状態は、「日米経済戦争」ともいえるTPP交渉
  での有利な立場を圧倒的に確保でき、日本を半永久的な米国の
  「財布」として、対韓国FTAのごとく、思うがままの経済植民
  地化を進めることができる。
 6.同時に、米国民に対しても、日中両国への米国の強い支配力と
  影響力をアピールできる。
 7.仲裁者的な立場をとることにより、また、「日本カード」を巧
  みに使うことにより、米国は中国を敵対国家として見ていない
  とのメッセージを現実の事件の中で送ることができる。


 【台湾のメリット】

 1.国民党政府にとって、尖閣諸島の日中両国への帰趨は、台湾の
  中国併合への決定的要因であり、尖閣諸島の日中米の緊張関係
  は、国民党政治家や経済人が、中国政府から政治的経済的に「
  優遇される」要因である。
 2.同様に、日米両国からもさまざまな「優遇」と「譲歩」を引き
  出せる。
 3.現在も未締結の日台漁業協定への有利な立場の確保。


付言すれば、南北朝鮮両国も、立場的には台湾と同じようなメリッ
トを考えている。


<ここ1年の最悪の対日尖閣侵略工作シナリオ>


以上、関係各国の「メリット」を踏まえた上で、中国による尖閣侵
略の最悪シミュレーションを、以下に展開してみたい。


≪参院選を数ヶ月後に控えた3~4月≫ 

中国謀略工作組織は、右翼排外主義団体等による「支那人排斥!」
「支那人殺せ! 尖閣死守!」などの国際的にレイシズムと非難さ
れるような排外主義運動を、さまざまな形で日本国内に起こす(無
論、資金源は日本の暴力団や諸団体を通した中国共産党の対日工作
班である)。

私たち「頑張れ日本!全国行動委員会」 とは違った自称 「右翼団
体」「保守」の人物、組織に、尖閣諸島魚釣島や南北小島などに強
行上陸をさせ、反中パフォーマンスを実行させる(昨年9月の幸福
実現党の上陸など。私たちは今、中国を「被害者」「抗議する立場」
にさせる尖閣上陸や公務員常駐、施設建設などは、少なくとも参院
選までは絶対に避けるべきだと考える)。

日本全国各地(沖縄も含む)の在日中国人留学生や観光客、ビジネ
スマン、結婚した中国人女性などに対する「嫌がらせ行為」「中国
人いじめ行為」を、自称右翼やネトウヨなどに、日本人や日本諸団
体を通して資金を提供し、頻発させる。

朝日新聞や中日新聞、NHK、TBSなどの反日的なマスメディアに、こ
れを「偏狭なナショナリズム」だとして一斉に非難キャンペーンを
展開させ、日本の右傾化とその危険性を国内外にアピールさせる。
同時に、「右翼政治家・安倍晋三」の危険についても、内外メディ
ア(ニューヨークタイムズなど)を使って、右傾化日本が再び軍国
主義の道を歩みだしたとのネガティブキャンペーンを国内外で展開
させる。

尖閣諸島では武装警察が海空から、領海、領空侵犯を繰り返し、大
量ではないが、数隻から十数隻規模の漁船(台湾・香港籍の漁船の
可能性も高い)を使って、尖閣諸島に向かわせ、海上保安庁の取り
締まり姿勢や行動を探る。   

日本への抗議と称して、自決の真似事とか、海に飛び込むなどのパ
フォーマンス活動を行い、海保の対応を探る行為もありえる。    

海監や漁政が次の一手として行うのは、接続水域や領海内で、中国、
台湾、香港などの漁船に対し、臨検行為を「やらせ」で行うことで
ある。
その際に、監視船からエンジン付きゴムボートをおろして、海上を
移動して、漁船に乗り移る行為をすることである。
これはゴムボートによる尖閣諸島への中国公務員上陸の予行演習で
ある。
中国公務員を絶対上陸させてはならない。

すでに行われているが、中国海上監視船に自国のメディアだけでは
なく、外国のメディア関係者を(資金を提供して)乗船させ(自国
の領海の証明行為になる)、そこから日本海上保安庁や日本漁船の
追いかけや尖閣諸島の様子、自国漁船の様子(海保に追われる様子)
などを撮影し、自国内と世界に映像発信させ、中国の尖閣諸島実効
支配の実績をアピールする。

全人代直後の習近平新体制をアピールするような、上記の行動より
もよりエスカレートさせた行為の可能性もある。


≪参院選がいよいよ近づいた5~6月≫

某月某日。
横浜港の片隅の海に浮かぶ1人の若い女性の死体が発見される。
女性は中国人留学生の劉美麗さん(21歳)。
死体にはレイプと惨たらしい暴行の跡が見られた。
そして彼女の傷だらけの死体の首には、「支那人殺せ!尖閣死守!」
と書かれた紙が貼りつけられていた(無論、中国共産党の謀略機関
が実行したものである)。

中国政府は直ちに日本政府に厳重な抗議を行い、日本反動右翼の仕
業による犠牲者として、彼女が真面目で親孝行で、いつも日中友好
のために働きたいとボランティア活動をしていたと、一大被害キャ
ンペーンを、中国国内と国際メディアを使って展開する。
日本政府は「遺憾の意」を表し、徹底的な捜査を約束し、閣僚も哀
悼の意を表する。
在日中国人留学生たちが抗議の声を上げ、メディアのカメラ前で派
手に泣きながら「日本右翼の妄動」を非難する。
同時に、留学生たちは「許しがたい行為だが、私はまだ日本人の皆
さんを信じたい」とおためごかしの支那人の心の広さを内外にアピ
ールする(すべて中国謀略機関の指導とやらせ)。
六本木の中国大使館前には、たくさんの追悼の花々が積み上げられ、
多くの中国人たちや日本人たちが(動員されて)追悼の意を表する。
これに、朝日新聞、NHKなどの反日メディアが呼応して、反右翼(
実は反安倍反自民党)キャンペーンを選挙前に展開する。
中国政府は、国民に落ち着いて自制するよう呼びかけ、過激なデモ
などの自制を国民や学生に呼びかける(次の一手のため。現実には
抗議を促している)。

尖閣諸島周辺では、以前に増して海監、漁政といった中国海上警察
の船の領海侵犯が繰り返されるようになる。
ついに留学生殺害をきっかけに、尖閣諸島領海内で、中国の海監監
視船からエンジン付きゴムボートがおろされ、尖閣諸島魚釣島に接
近しようとして、海上保安庁の船と追いかけ合いになり、魚釣島の
周辺を巡った後、海監に戻るという事件が起きる。
海監の武装警官が上陸するのは、もう目前という事態となる。

尖閣周辺には、連日のように中国空軍機が飛来し、航空自衛隊のス
クランブル回数は飛躍的に増える。
ついに自衛隊も警告射撃を行い、やっと領空から出て行く事態が繰
り返し続く。
また、中国の海監や民間のセスナ機やヘリコプターも飛来し、ギリ
ギリの航空神経戦を実行して、航空自衛隊の「疲弊」を促す作戦を
繰り返す。

中国国内では、再び反日学生や反日分子が「動員され」、日本大使
館や領事館に抗議の人々が集まり始め、日の丸を燃やしたり、「釣
魚島は我が領土」だというプラカードを掲げ、死んだ女子留学生は
「釣魚島」のために血と命を捧げた「英雄」で「殉難者」だと気勢
を上げる。
一方、中国の被害者留学生の出身大学や各大学では、追悼の祭壇が
設けられ、多数の学生が追悼の花束を捧げる風景が、中国や外国メ
ディアによって世界中に配信され、中国がまだ、じっと自制的に耐
えているような様子が内外にアピールされる(大東亜戦争と同じく
「中国は被害者だ」とのアピール)。

同時的に、中国謀略機関は、反日日本人、在日朝鮮人、在日韓国人
にも働きかけ、今、日本国内で、在日中国、朝鮮韓国人への人種差
別的排外主義行為が暴力的に行われているかのようなアピールを、
国内、海外に向け、連動して開始する(チマチョゴリを斬られたな
ど)。
また、在日朝鮮韓国のスパイ組織と連動し、従軍慰安婦や南京大虐
殺などの歴史捏造キャンペーンを反日マスメディアを通して行う
(間接的には反安倍ネガティブキャンペーンとなる)。
社民党、民主党および共産党は一斉に、これに連動した形で「反安
倍内閣キャンペーン」を選挙対策として推進する。
反日左翼文化人たちもこれに呼応して、大江健三郎などが「抗議声
明」を発信する。

中国共産党から秘かに資金提供を受けた自称「右翼団体」や「保守」
団体が、全国各所で、在日中国人や朝鮮韓国人とトラブルや暴力事
件を起こす。
または、民族差別的なスローガンを叫ぶ反中デモを各所で展開する。
一部の人間はメディアの前で、これ見よがしに中国の五星紅旗を破
ったり、焼いたりする。

そして某月某日、沖縄のサトウキビ畑で、今度は沖縄国際大学に留
学している若い中国人男性の惨たらしい死体が発見される。
死体には「中国の沖縄侵略阻止!支那人を日本からたたき出せ!」
と書かれた紙が貼られている。
沖縄左翼が大騒ぎを始め、中国への謝罪と友好を呼びかける声明を
発信する(この可能性は低いが、それに類した行為が行われる)。

全国に散らばった日本在住の中国人の諸団体や個人が各所に集結し、
挙って抗議の声を上げ、外務省や各地の政府機関に押しかける(長
野市での北京オリンピック聖火リレーの日の再現)。
日本の左翼団体、自称市民団体も、「反原発運動」同様に、日本の
右傾化阻止、民族差別反対、安倍「右翼内閣」反対の選挙キャンペ
ーンを強力に始める。
NHK、朝日新聞なども、安倍内閣の「強硬姿勢」を非難し、「話し
合え、冷静に」と、安倍内閣の毅然とした態度が、日中両国の平
和と友好を壊しているとのキャンペーンを大展開する。

安倍政権が「取り込んだ」ローソン社長なども、丹羽前中国大使な
どの親中反日分子の主張と連動する形で抗議声明を出したり、政府
の役職を「抗議辞任」したりする。
同時に、脅される形で、中国でビジネスをしている企業のトップや
役員も遺憾の意を表し、民族差別主義と暴力を非難し、日中友好の
必要を「声明」する。

中国では反日運動が各都市で次第に盛り上がり、爆発する。
日本大使館や領事館への抗議が連日激しくなる。
中国政府は、表面上は「冷静に!」と呼びかけ、警備も厚くしたふ
りをする。
そして、中国本土の各地から漁船が大量に出動し、「小日本の中国
人虐殺抗議! 釣魚島奪還!」をスローガンに、数百隻が尖閣諸島
に「漁業活動」で向かう。
「海監」や「漁政」などの武装海上警察も十数隻でその周辺を並走
し、尖閣諸島に向かう。
中国海軍のフリゲート艦数隻も、中国漁民保護と称して、その周辺
を並走し、尖閣諸島に向かう。

中国各都市では、ついに、在留日本人に対する暴力事件が頻発し始
める。
日系企業や日系商店に対する抗議活動や不買運動が頻発し、打ち壊
しや焼き討ちまで起こり始める。
日系企業の中国人労働者は、留学生虐殺に抗議すると称してストラ
イキに入り、合わせて賃上げなどの待遇改善を要求し、日本人工場
長や支店長の監禁なども行い始める。

ここに来て、やっと経団連や中国進出企業の日本本社は、駐在員や
家族の日本帰還を促し始める。
しかし、時すでに遅く、中国政府は、スパイ罪容疑で多数の日本人
駐在員を逮捕する。
また、強引な麻薬や覚せい剤容疑で日本人を逮捕し続ける。
一部の日本人は、短期間の裁判で即決死刑や終身刑を宣告される。
また、さまざまな民事訴訟案件で、ほとんどの日系企業に対して現
地人労働者や組合に訴えさせ、日本人駐在員の出国を禁止させる。
駐在員家族も、何らかの理由をつけて(病原菌、ウイルスなど)、
なかなか日本に戻れないように、事務的手続きなども遅れさせ、出
国を困難にさせられる。

中国の日系工場各所でストライキ中の労働者たちが、「正義の憤激
」から工場や事務所の建物を占拠し始め、日本人経営者や工場長、
駐在員を拉致監禁し、「もし、日本の警察や海上保安庁が尖閣諸島
に上陸して、中国の漁民や海監の武装警察官と衝突し、怪我でもさ
せることがあったら、監禁した日本人を『人民裁判』にかけ、処刑
する」と宣言する。
ついには、反日暴徒による在中国日本人の暴行虐殺事件が各地で発
生する。
中国政府は、あくまでもこのような暴行行為を非難して、自分たち
がやっていることを隠蔽し続ける。
いよいよ、すべての中国在住の日本人十三万人が、尖閣問題での「
人質」となっていく。

ここに至って、日本の政府官庁、放送局、電力や原子力発電所など
のインフラ企業、鉄道などの交通機関への「サイバー戦争」が大々
的に仕掛けられる(中国の本格的なサイバー戦争の演習となる)。
日本国内は大混乱に陥る。


<尖閣諸島事件のやや極端な、しかしありうる特殊想定事件>


沖縄から出ている大型カーフェリー(例えば南北大東島行きの「だ
いとう」など)が、観光客を装った中国人武装グループ(中国謀略
機関員たち)に「シージャック」され、乗客を人質に尖閣諸島へ向
かうように命令される。
シージャッカーたちは、自らを「中国人愛国人士グループ」と喧伝
し、彼らの行為が日本の尖閣諸島侵略と不法占拠に抗議するために
行われたと内外のメディアに発信し、もし言うことを聞かなければ、
乗客全員を殺害し、自分たちも自爆するつもりだと主張する。
そして日本警察が手を出さず、無事に尖閣諸島に到着出来たら、平
和的に人質は解放し、自分たちは中国の武装警察に投降するつもり
だと主張する。
シージャックされた船は人質の日本人とともに、尖閣に向かい続け
る。

支那大陸からの数百隻の漁船団、武装海上警察の「海監」「漁政」
の船団、中国海軍東海艦隊のフリゲート艦数隻が尖閣諸島に向かっ
ている状況で、日本政府は対応を迫られる形になる。

一方、尖閣諸島周辺の領海に侵入した大量の漁船と武装警察船「
海監」と「漁政」は、魚釣島だけではなく、南北小島、久場島周辺
に分かれて展開し、まず中国の五星紅旗がくくり付けられた「浮き
漁礁」などを大量に設置する。
同時に一斉にゴムボートをおろして、各島に上陸するために向かう。
彼らの手には鉄パイプや棍棒などが握られている。

同時に武装警察も各監視船から、一斉にエンジン付きゴムボートを
おろして、やはり尖閣諸島各島の上陸に向かう。
武装警察官たちは、防弾チョッキや拳銃、小銃などで武装している
のがわかる。
さらには中国側の軍艦などからヘリコプターが飛び立ち、魚釣島の
平地に着陸しようと試み始める。

日本側は、魚釣島、南北小島、久場島などの周辺海域と島に、海上
保安庁、海上自衛隊を大量配備し、特に魚釣島には沖縄県警機動隊、
海上保安庁の武装職員、そして背後には安倍首相の決断で数百人規
模の陸上自衛隊が待ち構える。
彼らは全員防弾チョッキを着装している(これをきっかけに、「公
務員常駐」を一気に実現させるべきである)。

上空を武装自衛隊員を乗せたヘリコプターが飛ぶ。
海岸には、支那人上陸を水際で阻止するための「簡易網フェンス」
が設置されている。
安倍首相は、絶対に中国の公務員や漁師を上陸させない、上陸した
場合は、逮捕し、国内法で厳正に対処すると言明。
それに「反発する」かのような形で、支那本土では、在留邦人に対
する攻撃が激化する。
殺人やレイプや公開処刑などが中国各地で「怒れる」民衆によって
頻発する。
そして、やらせの「民衆」は、もし尖閣諸島で中国人が殺されたり、
怪我をさせられたりした場合は在留日本人も同じ目に合うだろうと、
繰り返し人質がいるのだとアピールをする。

一部の中国人漁民(実は元人民解放軍特殊部隊員など)の上陸や、
武装警察の上陸直後、または上陸しようとした寸前、オバマ米大統
領は中国の習近平主席に直接電話をかけ、直ちに引き返すように
「警告」する(実は出来レース)。
同時に安倍首相に対しても、冷静な対応を強く求めて、侵略対処の
直接行動を止めるよう警告する。

待っていましたとばかり、習近平は
「私たち中国政府は常に平和的解決を求め、話し合いでこの領土問
 題を求めて来た。それに応じようとしないのはすべて日本政府の
 責任である。平和のために私たちは、一時的にであるが引き揚げ
 る」
と言明し、上陸したり、または領海侵犯をした漁民や武装警察を尖
閣諸島周辺から引き揚げさせる命令を発し、もし日本側が彼らを逮
捕するならぱ、それは「平和を破壊する行為」だと世界中にアピー
ルする。
日本政府は彼らやシージャッカーを逮捕できないジレンマに陥る。

これにより、中国政府は尖閣諸島に「公務員」を上陸させ、あまつ
さえ、「武装警察」という国家権力の象徴を尖閣諸島に上陸させ、
自ら漁民を率いて引き揚げるという「国家権力の行使」を行い、尖
閣諸島の実効支配と領土主権の主張を見事にステップアップさせる
実績と状況を生み出す。
とりわけ、(もちろん米中のやらせ芝居だが)米国に領土問題の存
在を認知させ、半ば「中立的な仲裁行為」をさせたことは、中国に
とって大きな前進となるのである。

以上が、今後、想定される最悪の対日尖閣侵略工作シナリオである。


<やるべき現実的対処>


さて、我ら日本国と日本国民は、今、一体、何をなすべきか。
今、私たちは、戦後初めて戦争の危機と対峙している。
今必要なのは、日本を防衛するための具体的行動提言である。
憲法や国の理想を語るだけで済む平和で居心地のいい時代はとうに
過ぎた。
これを私たちはわがこととして自覚すべきである。

ただし、この対処は参院選前に行うべきものであり、参院選勝利の
後は、これまでの「毅然たる姿勢」をもう一歩進める行動が必要で
ある。(以下略)

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