【巻頭エッセイ】

「初心を忘れず」

                   日本文化チャンネル桜代表 水島 総

五月三十日に渋谷NHK周辺で行われた 5・30 NHK「JAPANデビュー」に抗議する
国民大行動・第二弾!!は、産経新聞の三十一日朝刊に掲載されたように、一千
百人の集会デモ参加者があった。
悪天候が伝えられたり、第二回目ということで、参加者の減少が心配されたが杞憂
に終わった。
むしろ、第一弾の時より、意気盛んで、隊列も見事なデモだった。
女性や若者の多いことも前回以上だった。

それからもうひとつ大きな収穫は、デモ参加者約五十名が、デモ終了後、抗議状を
片手にNHK構内に入り、NHK放送センター建物内にも入って、面会を求め、抗議状
を手渡そうとする行動が出来たことだった。
これは一見、「突入」だとして過激な行動に思う人がいるかも知れないが、全くそれ
は違う。
視聴者国民の抗議や問い合わせに真摯に答えようとしないNHKに対して、視聴料
を払う国民としての怒りを合法的に、面会と抗議状手渡しを実行しようとしただけで
ある。

暴力沙汰になること無く、粛々とそして断固として行われた、まことに日本人らしい
勇気と決意に満ちた行動だった。
警察も、この建物内に入った五十数人の「サムライ」達の固い決意に満ち、あまり
にも堂々とした態度に、驚き呆気にとられた風だった。
主催者団体の一人として、デモ参加者の日本人らしい抑制と常識をわきまえた行
動に、敬意と感謝の意を表したい。

まだまだ、小さなさざ波のような波立ちではあるが、静かに、静かに、日本草莽の
「草莽崛起」が始まっている。

そんな中、私達日本文化チャンネル桜は、六月一日より、スカパー!CH219におい
て、二十四時間放送を再び開始する。
二十四時間放送と言っても、一年間に二億二千万円必要な衛星使用料、スカパー
!プラットホーム料、放送供出料の支払いをするために、二十時間分の時間枠を
貸し出して、私達日本文化チャンネル桜は夜八時から十二時までの毎日四時間の
放送をする。
しかし、毎日四時間あれば、かなりの情報を皆様に提供することが出来る。

NHKの「JAPANデビュー」の例を挙げるまでもなく、外国勢力の謀略情報工作に浸
透されてしまったような日本のマスメディアの中で、日本文化チャンネル桜は、この
ような時代だからこそ、祖国日本にとって必要不可欠な存在になりつつあると考え
ている。
今こそ、あらゆる外国勢力や大企業、政治、宗教団体等から影響を受けない独立
不羈の情報発信メディアが必要となっているからである。

しかし、このジャーナリズムの「独立不羈」を単なる現場のジャーナリストの倫理強
化に求めるのは、いささか酷である。
というのも、メディアの経営者は、情けないことに、日本人であることより、倫理的で
あることより、何より「金儲け」を優先してきたのである。
その結果、中共や北朝鮮の対外工作にまんまとはめられ、もはや、その魔手から
逃れることが出来なくなっているからである。

チャンネル桜の企業収入は、二千人委員会の皆様のご支援、So-TV視聴料金、
チャンネル桜友の会の支援金、協賛広告費が、ほぼすべてである。

常識を超えたこの厳しい不況下で、祖国日本の現在を憂い、私達子孫の未来を
思い、深く熱い「公」の心から、チャンネル桜に支援をしていただいている皆様に、
改めて心よりの御礼を申し上げたい。
全ては日本草莽の皆様のおかげである。
いつも述べることだが、『日本草莽のあるところ、日本あり』なのである。

日本草莽の力によって、今、私達は小さいながら新「NHK」(新・日本放送協会)を
創設し、本来の公共放送局の在り方を国民の手で実現せんと、草莽日本国民運動
を展開しているのである。
また、戦後日本の占領体制の中で、GHQの日本占領体制に協力し、そのおこぼれ
を受け取り、メディアの公共電波を独占して来た敗戦利得者たちから、公共電波を
国民草莽に奪還し、日本の伝統文化を踏まえた独立不羈と自由の草莽テレビ局を
完全復活させる第一歩が、ついに踏み出されようとしているのである。

デモや集会に行くと、穏やかで静かな表情をたたえた様々な皆様が、「私、二千人
委員会に入っています、頑張ってください」とお声をかけられる。
握手だけして、はにかみながら去っていく寡黙で内気そうな皆様に、心の中で感謝
の合掌をする。

日本文化は、能や座禅に代表されるように、
「あえて余白を残し、多くを語らず。それこそが、もっと大きな世界を描き出す唯一
 の道」だと、能楽師で人間国宝の友枝昭世が語っている。

余白で通じ合えるのが日本人である。
それが日本の伝統文化でもある。
その代表的日本が私の尊敬する西郷南洲翁である。
南洲翁の万分の一でも実践できるように、これからも日々の研鑽をスタッフともども
進めていく。

 
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。
 此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。」

                             西郷南洲翁遺訓より


私達は、日本を最も愛するメディアであり続けます。
私達は、日本と日本人を信じます。
私達は、日本と日本人の未来を信じます。

私達は、日本唯一の草莽メディア「日本文化チャンネル桜」です。

この誇りと自負、そして勇気をもって、これからも前進していきたい。

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